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2007年12月29日

●CoffeeTripp Vol.39「セルジオ・メンデス Brasil '65特集」(2007/12/27)

★CoffeeTripp Vo.39を試聴する

セルジオ・メンデスといえば、何といっても有名なのは「マシュケナダ-Mais Que Nada (Ma-Sh Kay Nada)」そしてカバーもののCole Porter「Night and Day」、Beatles「Day Tripper」「Fool on the hill」「ノルウェイの森-Norwegian Wood」で一世を風靡した【Brasil '66】時代だと思うのですが、僕は今回紹介する【Brasil '65】のほうが好きなんです。
たぶん最初に自分で買ったセルメンがこれだった、というのもあるんですが、1950年代後半〜60年代前半のジャズからの影響を感じさせるアコースティックな透明感、そしてボサノバ・オリジナルの楽曲の素晴らしさが光る名盤だと思います。
一聴すると素朴で飾り気のない音で、【Brasil '66】以降のコーラスワークやエレクトリックピアノを全面に出した厚みのある音と比べ遜色があるように聴こえますが・・・何度も聴くうちにその考えは間違っていた事に気づかされるはずです。そのシンプルな美しさ故に、飽きが来ること無く何度も聴ける素晴らしい作品なのです!
このCDを朝にかけると、本当に「朝早く、緑豊かな庭に水をまいた時のような」瑞々しい空気が部屋いっぱいに広がります。

初々しいウィスパー・ヴォイスのワンダ・ヂ・サーとマルコス・ヴァーリのシンプルで美しい旋律が魅力の名曲「So Nice」、ボサノバ界の天才ジョアン・ドナートがみずがめ座の婦人に捧げたメランコリックなミディアムボッサ「Aquarius」、そしてトムジョビンによる不朽の名作にして、その中でも1、2を争う出来だと個人的に思う「One Note Samba」・・・
真に捨て曲なしの一枚です。

ついに2007年最後のCoffeeTripp。
聴いていただいている方、読んでいただいている方、ありがとうございました。
そして今回は年末特別企画(←しかし何のヒネりもないネーミングですな、ハハハ)として、番組を聴けない方のために、番組の最初の部分を特別にmp3でアップしました!
番組の雰囲気だけでも伝われば、と思っています。
★CoffeeTripp Vo.39を試聴する

来年もみんながくつろいで聴ける、よりよい番組にしていきますよ!
楽しみにしていてください!

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【2007.12.27 Air-play】
1.So Nice
2.Aquarius
3.Let me
4.Tristeza Em Mim
5.Consolação
6.Muito A Vontada
7.One note samba
8.Rhythm of Nature/RoundTripp
※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

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2007年12月22日

●CoffeeTripp Vol.38「カリビアンとスパニッシュの新しい融合〜Michel Camilo & Tomatito “Spain”」(2007/12/20)

僕がはじめてミシェルカミロの音楽を聴いたのは大学生の時。
その頃、学内ビッグバンドの凄腕ドラマーの先輩とよく部室で2人で音出ししてたんですが(今思うと15時過ぎぐらいから平気で5〜6時間ぶっ通しでやっていて、その後中華料理屋でメシ食って一杯やって帰る、というのが定番パターンでした)、
その先輩に「これ聴け〜」って渡されたのがミシェルカミロの「On Fire」でした。
ジャケ写真は落ち着いた繊細な雰囲気のカミロが写っているのですが、CDを聴いたときはその演奏の凄さ、そして写真とのギャップ(笑)も相まって、かなり聴きまくった記憶があります。
(あとその先輩とのセッション時にミシェルカミロ周辺の曲からリズムを指定される事が多く、それについていく為にも聴き込まざるを得なかったという・・・)

今回CoffeeTrippでご紹介するのは、2000年に発表された、フラメンコギタリストのトマティートとの共作「Spain」。
僕が考えるミシェルカミロの魅力は、ヨーロッパ的なジャズ〜クラシックの繊細さや耽美的な部分とラテン系の豪快なスタイルが融合されているところだと思うのですが、
このアルバムではその魅力がまさに円熟期を迎えている、という感じがします。
そしてトマティートもトラディショナルなスパニッシュ〜フラメンコスタイルを踏襲しながらも、熱すぎない。ジャズ的なハーモニーやリズムの感覚が絶妙にブレンドされた新世代スタイルのギタリストであり、この2人のコラボレーションが生み出す音は偉大なルーツミュージックを新しい局面に昇華させた、真にオリジナルな雰囲気を放っています。
このクールさは、アストル・ピアソラが旧来のタンゴというジャンルを超えて打ち立てた、あのオリジナルな世界観に通じるものがあると思います。

アルバム内の曲は有名なコリアの「Spain」やラテンスタンダード「Besame Mucho」をはじめ、どれも素晴らしい演奏ですが、
個人的に秀逸と思うのはアルゼンチンのギタリスト、Luis Salinasのペンによる曲。
2人のタンゴの偉人-アニバル・トロイロ(ピアソラが最初に所属したタンゴバンドのリーダーでもある)そしてオラシオ・サルガンに捧げた「Para Troilo Y Salgan」は、
曲のもつルーツミュージックの土臭さと、カミロートマティートの個性が実にいいバランスで共存した傑作だと思います。
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【2007.12.20 Air-play】
1.Spain Intro〜Spain
2.La Vacilona
3.Para Troilo Y Salgán
  〜/MICHEL CAMILO & TOMATITO
4.Rhythm of Nature/RoundTripp
※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

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2007年12月16日

●CoffeeTripp Vol.37「アストル・ピアソラ特集」(2007/12/13)

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。

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もう師走ですね。
年末に向けてまとめて片付けたいことが山積みで、何だか毎日が慌ただしい感じがします。。。

さて、今回のCoffeeTrippでは、20世紀後半のタンゴ界を代表するバンドネオン奏者、アストル・ピアソラの絶頂期と言われる1969〜70年の作品を中心にご紹介しています。

アルゼンチン・タンゴは今からおよそ130年ほど前、19世紀南米アルゼンチン・ブエノスアイレスで生まれました。
スペインやイタリアからの貧しい移民が集まるボカ地区の酒場で、日頃の不満を歌にし、単身赴任の男性達が荒々しく男性同士で踊ったのがタンゴの始まりと言われています。ストレス解消!ですね。その後、娼婦を相手に踊られるようになって、男女で踊る形式が確立されたそうです。

アストル・ピアソラは生まれはブエノスアイレスですが、幼少期に家族でニューヨークに移住していたこと、またパリへの留学でナディア・ブーランジェに師事するといった経験から、ジャズやクラシックの要素を取り入れた独自のタンゴを生み出しました。
従来はダンスの伴奏音楽としての位置づけであったタンゴに新風を吹き込んだものの、その高い音楽性故に当初はあまり評価されなかったようです。
しかし、タンゴとはあまり関わりがないニューヨークなどの街で評価が高く、現在では20世紀後半のタンゴ界を代表する音楽家として高い評価を受けています。

オンエアした時代のものよりは新しいのですが、ピアソラを動画で見てみましょう。
Astor Piazzolla - Libertango

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【2007.12.13 Air-play】
1.Buenos Aires hora cero(ブエノスアイレス零時)/Astor Piazzolla
2.Invierno porteño(冬のブエノスアイレス)/Astor Piazzolla
3.ロコへのバラード/Astor Piazzolla
4.El Motivo(動機)/Astor Piazzolla
5.Rhythm of Nature/RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

2007年12月08日

●CoffeeTripp Vol.36「神秘的なケルトミュージックへの誘い」(2007/12/06)

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。

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今年ももう残すところあと3週間。
そんな12月最初のコーヒートリップは、冬の深い森や霧を連想させると同時に、
フィドル、アイリッシュハープ、ブズーキ等の民族楽器の独特の響きが不思議な暖かみを持つケルトミュージックをご紹介しています。

日本で有名なケルト系ミュージシャンというとやはりENYA、Celtic Womanあたりでしょうか。
そして古くはあの「エクソシスト」のテーマで有名なイギリスのプログレミュージシャン、マイク・オールドフィールドもケルトミュージックに大きな影響を受けています。

ケルトという言葉は、むかし世界史の授業で習った「ケルト民族」から来ているのですが、
その起源は紀元前にさかのぼり、紀元前400年頃には現在で言うヨーロッパの6〜7割の面積に分布していたと言われています。
それほどの長い歴史を持つ民族なのでその末裔は世界各地に分布し、イギリスのあるグレートブリテン(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォルも含む)から、フランス(ブルターニュ)、スペイン(ガリシア)、ポルトガル、そしてカナダ(特にケープ・ブレトン島)やアメリカなどに住んでおり、それぞれの地域においてキャラクターの違うケルトミュージックを生み出しています。

ENYA等のサウンドイメージからはゆったりした癒し的なイメージが強いですが、その一方でリールやジグと呼ばれる熱くリズミカルな民俗舞曲も多く、そのサウンドを聴くと地元のパブで夜な夜なミュージシャンによるセッションが繰り広げられるというのも何となくイメージが湧いてきます。
先週ご紹介したフランスのミュゼットも、バルと呼ばれる酒場で庶民に愛された音楽でしたが、
酒、踊り、語らい、男女関係と音楽というものは、いつの時代も一心同体、切り離せないものなんだということですね。

またこれらの舞曲は2分の2(4分の4)拍子のものが多く、ある意味ハンガリーやチェコ辺りの民俗音楽との共通性も感じることができます。
クラシックでいうところのリスト、コダーイ、バルトーク等が好きで、もしケルトミュージックを聴いたことがないという人がいたら、ぜひ聴いてみて欲しいと思います。

先週のミュゼットもそうですが、30分のラジオ番組でその内容をとうてい紹介しきれるものではなく、
これからも折りをみて、より深く突っ込んだ内容でご紹介していければと思っています。
まずは下記リンクで、その音に触れてみてください。


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【2007.12.06 Air-play】
1.Jigs: The Boys Of The Town - Jackson'sJig - The Connaughtman's Rambles  
 /Matt Molloy
2.Limber up - Contradiction Reel - New Line to Dublin/Skylark
3.Both Sides The Tweed/CAPERCAILLIE
4.Gavotten Ar MenezGavotten Ar Menez/Kornog
5.Rhythm of Nature/RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

2007年12月01日

●CoffeeTripp Vol.35「フランスのミュゼット〜哀愁のアコーディオンとジプシーギター」(2007/11/29)

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。
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今週はアコーディオンの哀愁を帯びた音色、ジプシースタイルをベースにした情熱的なギター(いわゆるジャンゴ・ラインハルト・スタイルですね)が絶妙の味わいを醸し出す、フランスのミュゼットの特集です。
ミュゼットの発祥は19世紀初頭。パリにヨーロッパ各地からの移民がやってきた時代です。イタリアからの移民がアコーディオンを持ち込んだのがきっかけとなって、アコーディオンとギターを中心としたアンサンブル・スタイルが徐々に確立されていき、20世紀初頭にはパリを中心に大流行しました。
当時のパリ庶民は、哀愁溢れるミュゼットが流れる下町のバル(bal=ダンス酒場)で踊り語らい、そして酒を酌み交わしたことから、バル・ミュゼットという言葉で呼ばれていました。

音楽的にみると、時代の変遷とも併せて様々なジャンルからの影響が垣間みられます。
リズム的要素で見ると、往年のワルツ(Valse)を中心に、ポルカ、タンゴ、また最近ではブラジル音楽をルーツとするもの(今回オンエアの「Afro-Musette」もその一つです」が取り入れられています。
またハーモニー的に見るとブルース、ジャズ的な要素も多分に含まれ、まさに人種のるつぼ的な様々な音楽要素が反映されたワールドミュージックとして、非常に魅力的なものです。

そんなミュゼットの主役は、何と言ってもアコーディオン。
アコーディオンという楽器もミュゼットと同様、時代の変遷とともに大きく変化してきた楽器であり、演奏方法、キー(ボタン)の配置、そして発音の仕組み等の違いにより様々な種類があります。
それら細部の微妙な違い故にサウンド、フレージングのニュアンスが各々独特の個性を持っていて、それがこの楽器の味わいであり、またミュゼットの各曲に魅力を与えているといってもいいと思います。

ダイアトニック・アコーディオン
アコーディオンとしては初期に開発されたもので、ボタン式です。メロディオンと呼ぶ事もあります。ダイアトニック(diatonic)の意味は「全音階」、つまりピアノで言うと黒鍵にあたる半音は出せないため、曲のキーによって楽器を選択します(モデルによっては半音が出るアクシデンタルキーがついています)。発音の仕組みは蛇腹を押すときと引くときで違う音階が出るようになっていて、その構造ゆえの独特のフレージングがこの楽器の個性となっています。ピアノ・アコーディオンなどに比べると構造が単純で軽量、音量も大きく、シンプルで明るい楽曲や、屋外演奏で用いられる事が多いです。

クロマティック・アコーディオン
上記のダイアトニック・アコーディオンを改良したもので、ピアノと同様に半音階も出すことができるものです。最近ではこのタイプが最も一般的なようです。
発音はダイアトニックタイプとは異なり蛇腹を引くときも押すときも同じ音が出ます。メロディーを演奏する右手は旧来のボタン式のものと、ピアノ型の白鍵黒鍵式のものがあります。(鍵盤式がメジャーで、ボタン式は特注のようです)

その他、モデルにより独自のキー配列を有し、演奏が実に難しいバンドネオンや、シングルリードによるシンプルで澄んだ音色が美しいコンサルティーナ等がありますが、
理屈は抜きにして、まずはこの魅力的な音に、ぜひ触れてみてください。
前述のジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼットナンバーを演奏していますし、今回3曲目にオンエアの「accordion」(タイトル通りアコーディオンをたたえた歌です)は、セルジュ・ゲンズブールのペンによるもの。
まさに「フランスが愛した音」である証ではないでしょうか。

【2007.11.29 Air-play】
1.Richard Galliano - 極上のワインに捧ぐワルツ(La Valse a Margaux)
2.Pierre "Baro" Ferret - Panique
3.Serge Gainsbourg - Accordéon
4.M.Azzora/R.Galliano - Afro-Musette
5.Bordeaux(FTP Edit) - RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)