2008年11月19日

●CoffeeTripp Special「WORLDSCAPE Euro-Oriented/RoundTripp」Part1

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。

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しばらく更新がご無沙汰になっていたCoffeeTripp Blogですが、ここ最近は先日11月5日にリリースされたRoundTripp 3rd Album「WORLDSCAPE Euro-Oriented」からのナンバーを中心に(m(_ _)m)他のアーティストの方の作品も交えてお送りさせて頂いております。

というわけで、少しずつですがいっちょまえに曲解説なんぞをしていければと。


WORLDSCAPE Euro-Oriented

Tr1:Colours of Asia -introduction-

アルバムのテーマ「Euro-Oriented」の象徴ともいえる"Colours of Asia"は、アルバムの冒頭と最後の曲になっています。
1曲目のほうのintroductionはオリジナルよりかなりBPMを落としたアレンジで、メロディーは同じなんですが新しいコード進行に変わっています。曲タイトル通りアジアっぽい情景を想起させるような響きになっていると思います。ところで先日あるラジオに出演させて頂いた時、パーソナリティーの方に「アルバムを聴いたらアジアっぽいオリエンタルな感じがしたんですが、こういう雰囲気ってどうやって出すんですか?」と聞かれ、ちょっと言葉に詰まりましたね・・・どうやって、って?説明難しいよね、エスニック料理作るのとはちょっと違うからなあ・・・

演奏はRTの2人です。竹内さんがヴォーカル、そして機械っぽい声は彼女の声をKORGのシンセサイザーでプロセスし、Vocoderっぽい音を出しています。シンセベースはAKAIの昔のシンセサイザー。AKAIというとサンプラー、特に最近はHip-Hop/DJサンプラーであるMPCのイメージが強いですが、その昔はアナログオシレータのシンセを出していて、それが結構良いんです。いつ壊れるか心配ですが愛用しているシンセの1つです。他のシンセやストリングスはほとんどE-muのサンプラーとソフトシンセを少々、あとピアノをちょこっと弾いています。


Tr2:Ritual Fire Dance (Future-Red Mix)

スペインの印象派の作曲家、Manuel de Fallaが1915年に作曲した「恋は魔術師」というオペラの中の1曲です。多分ファリャのなかでは最もメジャーな曲なので、タイトルは知らなくても聴いたことのある方は多いのではないでしょうか。ピアノバージョンではルービンシュタインの豪放磊落な演奏が有名だと思います。
ファリャのルーツであるスペイン〜アンダルシア風の民族的なメロディーの音使いとフランス印象派のモーダルな和声感が見事に融合しており、ドビュッシーやラヴェルが到達し得なかった鮮烈な響きを得ることに成功している曲です。僕が初めてこの曲を演奏したのは高校時代に参加していたマンドリンオーケストラで、その後も小編成のオケやジャズバンドでアレンジして演奏したりと昔から好きな曲でした。

今回アルバムで取り上げるにあたり、クラシックの世界でオーケストラやグランドピアノ、クラシックギターなどで既に表現しつくされている鮮やかなダイナミズムを、ダイナミックレンジの狭いシンセサイザーやプログラミングの手法でどう新しく聴かせるかということで試行錯誤を重ねました。好きな曲なのでなおさらプレッシャーも大きいという(笑)

まずクラシックのダイナミクスと渡り合えるものとして強力にヒップなベースラインとビート、しかも民族的なメロディーを活かす為にありきたりなブラックルーツのファンクやハウスものでない独特なうねりをと考えました。そして出てきたアイディアが、もともと2拍子に乗っていたオリジナルのメロディーを8分の6拍子に再構成し、ジャズワルツ的なグルーヴを持つファンクを民族的色彩感のあるシンセパーカッションと粘りのあるシンセベースで創りだす、というものでした。それが曲前半に見られるあのアレンジです。シンセベースはAKAIのアナログシンセを使い、Moogっぽさを残しながらアーシーになりすぎないサウンドに、ピアノはファンクのグルーヴ感を出す為に切れのいいウーリッツアーを使っています。

そしてもう一つの大きなポイントはあの民族的なメロディーをどう鮮やかに響かせるか。アナログシンセでは色彩感が足りず、サンプラーは所詮生楽器を録音したのをプレイバックするものなのでダイナミックレンジがかなうわけがありません。弾く瞬間にそこでサウンドが生成されているものでなくては・・・いろいろ試した結果、80年代のFM音源によるシンセサイザーの金属的な倍音を活かしたプログラミングでサウンドを作りました。YAMAHAのFM音源モジュールTX800シリーズを使ったのですが、いわゆるデジタルのイメージからほど遠い、太く色彩感のあるサウンドが出るのには本当に驚きました。曲中で聴かれるテーマメロディーの90%はTXモジュールで作っています。

・・・ざーっと書いてきましたが、これ、あっという間に凄く長くなってしまいますね。
今回はここらへんにしておきます。続きはまた追って・・・ ;-)


★今回のオープニング&エンディング曲
『DS Forever!』/RoundTripp

★FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)


煌めく音で、旅をしよう。旅をする音楽=RoundTripp。

ファリャ「火祭りの踊り」ラヴェル「亡き王女の為のパヴァーヌ」そしてディズニー『ファンタジア』で有名な「時の踊り」といったクラシックの新解釈から、ジプシーミュゼット、シネジャズ/ボッサまで、Europeのルーツサウンドと Asiaの感性が融合---ワールド/クラシック×クラブミュージックの新境地を切り拓く意欲作!


RoundTripp 3rd Album「WORLDSCAPE Euro-Oriented」の試聴はRoundTrippWebsiteで!

2007年12月16日

●CoffeeTripp Vol.37「アストル・ピアソラ特集」(2007/12/13)

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もう師走ですね。
年末に向けてまとめて片付けたいことが山積みで、何だか毎日が慌ただしい感じがします。。。

さて、今回のCoffeeTrippでは、20世紀後半のタンゴ界を代表するバンドネオン奏者、アストル・ピアソラの絶頂期と言われる1969〜70年の作品を中心にご紹介しています。

アルゼンチン・タンゴは今からおよそ130年ほど前、19世紀南米アルゼンチン・ブエノスアイレスで生まれました。
スペインやイタリアからの貧しい移民が集まるボカ地区の酒場で、日頃の不満を歌にし、単身赴任の男性達が荒々しく男性同士で踊ったのがタンゴの始まりと言われています。ストレス解消!ですね。その後、娼婦を相手に踊られるようになって、男女で踊る形式が確立されたそうです。

アストル・ピアソラは生まれはブエノスアイレスですが、幼少期に家族でニューヨークに移住していたこと、またパリへの留学でナディア・ブーランジェに師事するといった経験から、ジャズやクラシックの要素を取り入れた独自のタンゴを生み出しました。
従来はダンスの伴奏音楽としての位置づけであったタンゴに新風を吹き込んだものの、その高い音楽性故に当初はあまり評価されなかったようです。
しかし、タンゴとはあまり関わりがないニューヨークなどの街で評価が高く、現在では20世紀後半のタンゴ界を代表する音楽家として高い評価を受けています。

オンエアした時代のものよりは新しいのですが、ピアソラを動画で見てみましょう。
Astor Piazzolla - Libertango

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【2007.12.13 Air-play】
1.Buenos Aires hora cero(ブエノスアイレス零時)/Astor Piazzolla
2.Invierno porteño(冬のブエノスアイレス)/Astor Piazzolla
3.ロコへのバラード/Astor Piazzolla
4.El Motivo(動機)/Astor Piazzolla
5.Rhythm of Nature/RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

2007年12月08日

●CoffeeTripp Vol.36「神秘的なケルトミュージックへの誘い」(2007/12/06)

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今年ももう残すところあと3週間。
そんな12月最初のコーヒートリップは、冬の深い森や霧を連想させると同時に、
フィドル、アイリッシュハープ、ブズーキ等の民族楽器の独特の響きが不思議な暖かみを持つケルトミュージックをご紹介しています。

日本で有名なケルト系ミュージシャンというとやはりENYA、Celtic Womanあたりでしょうか。
そして古くはあの「エクソシスト」のテーマで有名なイギリスのプログレミュージシャン、マイク・オールドフィールドもケルトミュージックに大きな影響を受けています。

ケルトという言葉は、むかし世界史の授業で習った「ケルト民族」から来ているのですが、
その起源は紀元前にさかのぼり、紀元前400年頃には現在で言うヨーロッパの6〜7割の面積に分布していたと言われています。
それほどの長い歴史を持つ民族なのでその末裔は世界各地に分布し、イギリスのあるグレートブリテン(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォルも含む)から、フランス(ブルターニュ)、スペイン(ガリシア)、ポルトガル、そしてカナダ(特にケープ・ブレトン島)やアメリカなどに住んでおり、それぞれの地域においてキャラクターの違うケルトミュージックを生み出しています。

ENYA等のサウンドイメージからはゆったりした癒し的なイメージが強いですが、その一方でリールやジグと呼ばれる熱くリズミカルな民俗舞曲も多く、そのサウンドを聴くと地元のパブで夜な夜なミュージシャンによるセッションが繰り広げられるというのも何となくイメージが湧いてきます。
先週ご紹介したフランスのミュゼットも、バルと呼ばれる酒場で庶民に愛された音楽でしたが、
酒、踊り、語らい、男女関係と音楽というものは、いつの時代も一心同体、切り離せないものなんだということですね。

またこれらの舞曲は2分の2(4分の4)拍子のものが多く、ある意味ハンガリーやチェコ辺りの民俗音楽との共通性も感じることができます。
クラシックでいうところのリスト、コダーイ、バルトーク等が好きで、もしケルトミュージックを聴いたことがないという人がいたら、ぜひ聴いてみて欲しいと思います。

先週のミュゼットもそうですが、30分のラジオ番組でその内容をとうてい紹介しきれるものではなく、
これからも折りをみて、より深く突っ込んだ内容でご紹介していければと思っています。
まずは下記リンクで、その音に触れてみてください。


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【2007.12.06 Air-play】
1.Jigs: The Boys Of The Town - Jackson'sJig - The Connaughtman's Rambles  
 /Matt Molloy
2.Limber up - Contradiction Reel - New Line to Dublin/Skylark
3.Both Sides The Tweed/CAPERCAILLIE
4.Gavotten Ar MenezGavotten Ar Menez/Kornog
5.Rhythm of Nature/RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

2007年12月01日

●CoffeeTripp Vol.35「フランスのミュゼット〜哀愁のアコーディオンとジプシーギター」(2007/11/29)

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今週はアコーディオンの哀愁を帯びた音色、ジプシースタイルをベースにした情熱的なギター(いわゆるジャンゴ・ラインハルト・スタイルですね)が絶妙の味わいを醸し出す、フランスのミュゼットの特集です。
ミュゼットの発祥は19世紀初頭。パリにヨーロッパ各地からの移民がやってきた時代です。イタリアからの移民がアコーディオンを持ち込んだのがきっかけとなって、アコーディオンとギターを中心としたアンサンブル・スタイルが徐々に確立されていき、20世紀初頭にはパリを中心に大流行しました。
当時のパリ庶民は、哀愁溢れるミュゼットが流れる下町のバル(bal=ダンス酒場)で踊り語らい、そして酒を酌み交わしたことから、バル・ミュゼットという言葉で呼ばれていました。

音楽的にみると、時代の変遷とも併せて様々なジャンルからの影響が垣間みられます。
リズム的要素で見ると、往年のワルツ(Valse)を中心に、ポルカ、タンゴ、また最近ではブラジル音楽をルーツとするもの(今回オンエアの「Afro-Musette」もその一つです」が取り入れられています。
またハーモニー的に見るとブルース、ジャズ的な要素も多分に含まれ、まさに人種のるつぼ的な様々な音楽要素が反映されたワールドミュージックとして、非常に魅力的なものです。

そんなミュゼットの主役は、何と言ってもアコーディオン。
アコーディオンという楽器もミュゼットと同様、時代の変遷とともに大きく変化してきた楽器であり、演奏方法、キー(ボタン)の配置、そして発音の仕組み等の違いにより様々な種類があります。
それら細部の微妙な違い故にサウンド、フレージングのニュアンスが各々独特の個性を持っていて、それがこの楽器の味わいであり、またミュゼットの各曲に魅力を与えているといってもいいと思います。

ダイアトニック・アコーディオン
アコーディオンとしては初期に開発されたもので、ボタン式です。メロディオンと呼ぶ事もあります。ダイアトニック(diatonic)の意味は「全音階」、つまりピアノで言うと黒鍵にあたる半音は出せないため、曲のキーによって楽器を選択します(モデルによっては半音が出るアクシデンタルキーがついています)。発音の仕組みは蛇腹を押すときと引くときで違う音階が出るようになっていて、その構造ゆえの独特のフレージングがこの楽器の個性となっています。ピアノ・アコーディオンなどに比べると構造が単純で軽量、音量も大きく、シンプルで明るい楽曲や、屋外演奏で用いられる事が多いです。

クロマティック・アコーディオン
上記のダイアトニック・アコーディオンを改良したもので、ピアノと同様に半音階も出すことができるものです。最近ではこのタイプが最も一般的なようです。
発音はダイアトニックタイプとは異なり蛇腹を引くときも押すときも同じ音が出ます。メロディーを演奏する右手は旧来のボタン式のものと、ピアノ型の白鍵黒鍵式のものがあります。(鍵盤式がメジャーで、ボタン式は特注のようです)

その他、モデルにより独自のキー配列を有し、演奏が実に難しいバンドネオンや、シングルリードによるシンプルで澄んだ音色が美しいコンサルティーナ等がありますが、
理屈は抜きにして、まずはこの魅力的な音に、ぜひ触れてみてください。
前述のジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼットナンバーを演奏していますし、今回3曲目にオンエアの「accordion」(タイトル通りアコーディオンをたたえた歌です)は、セルジュ・ゲンズブールのペンによるもの。
まさに「フランスが愛した音」である証ではないでしょうか。

【2007.11.29 Air-play】
1.Richard Galliano - 極上のワインに捧ぐワルツ(La Valse a Margaux)
2.Pierre "Baro" Ferret - Panique
3.Serge Gainsbourg - Accordéon
4.M.Azzora/R.Galliano - Afro-Musette
5.Bordeaux(FTP Edit) - RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)