●CoffeeTripp Vol.42「比類なきクロスオーヴァー・スタイリスト - Joni Mitchell」(08/01/17)
Joni Mitchellの70年代作品と出会ったのは、10代の終わりに渋谷にあったSwingというジャズ喫茶でのことでした。
確か1960年代からやっている店で97年には閉店してしまったので、僕が行っていた頃はもう最後のほうでしたが、カランカランと鳴るドアを開けると薄暗くカビ臭い店内にでかいプロジェクターとスピーカー、所狭しと飾ってあるジャズミュージシャンの写真、冷えすぎた(そしてたまにぬるい)ビールとおつまみのセット、薄いコーラ・・・渋谷の安っぽい喧噪からドアを隔てて60年代に迷い込んだかのような、まさに時空を超えた空間。
そこで見たのが「Shadows and Lights」のライブでした。
今は亡きJaco、Brecker、Alias、そして珍しくストライプシャツを着ていない黄色いMethenyにLyle Maysというメンツを自在に操る大女(失礼!)、これは誰なんだ!というのが第一印象でしたが、フォーク、カントリーをクロスオーバージャズとミックスさせたサウンドが強烈に印象に残り、翌日からレコード屋を漁って入手したのが「The Hissing of Summer Lawns」「Don Juan's Reckless Daughter」そして「Hejira」でした。
(肝心の「Shadows and Lights」のビデオはなかなか見つからず、翌年アメリカ旅行をした時に行く先々のレコード屋で探しまくり、シカゴのレコード屋で入手することが出来ました)
この3枚は言うまでもなくどれも素晴らしいのですが、
果てしなく広がる北の荒野を旅するロードムービーを聴いているかのような「Hejira」。
今回はこの作品をご紹介したいと思います。
1976年発表の本作タイトルは、アラビア語のHijra(イスラム教の開祖ムハンマドの622年のマディーナへの移住のことを指す)を英語に音訳した言葉で、邦題は「逃避行」となっています。
ジョニ本人いわく、自ら一人旅をしている間に書かれたアルバム、とのこと。
北の大地に広がる銀世界を思わせる冷たさの中に、その大地を独り旅する人の体温や孤独感といった甘い温もりが感じられ、1曲1曲が確実な存在感をもって心のなかに染み込んでいきます。
日常の喧噪を離れ、自分を見つめたい気分の時に聴いてみてほしいアルバムです。
【2008.1.17 Air-play】
1.Coyote
2.Black crow
3.Amelia
4.Hejira
〜/Joni Mitchell
★今回のオープニング&エンディング曲
『Ritual Fire Dance(Future-Red Mix)-“恋は魔術師”より「火祭りの踊り」』/RoundTripp
★FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)
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