2008年04月19日

●CoffeeTripp Vol.54「春眠をいざなう淡い色彩のハーモニー - Maurice Ravel」 (08/04/17)

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。

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今回は、CoffeeTripp初となるクラシック特集デス。
春のまどろんだ雰囲気にぴったりの、フランス近代クラシックの名作曲家モーリス・ラヴェル。

最初にラヴェルを聴いたのは、確か中1の時、ラジオで流れてきた「水の戯れ(Jeux d'eau)」という曲でした。(下記6曲目にオンエアしています)
それまでクラシックというと、小学校の音楽の時間で習うようなモーツアルト、ベートーベン、ビバルディーといった「いかにもクラシック!」といったイメージで(もちろんすばらしい曲ではあるのですが)子供的にはあまりいいなと思わなかったんですが、ラヴェルの曲にあるモードジャズ的な浮遊感が新鮮で心地よく響き、それ以来ラヴェルの楽曲をいろいろ聴き始めるようになりました。

ほぼ同時代の印象派の代表格ドビュッシーのより鮮やかで斬新な音配列も同じく好きでしたが、
ラヴェルの持つ色彩的でありながら古典的な落ち着きや強さをあわせ持つ楽曲は、クラシックを聴くときに感じていたい、もう戻らない時代のイメージ・・・美しい陶磁器でお茶をたしなむ貴婦人、緩やかに時間が流れるサロン、のようなものを・・・強く感じさせてくれます。

そしてそれはなぜか僕の中では、春眠のまどろんだイメージと結びついているのです。

【2008.04.17 Air-play】
1. Pavane pour une infante defunte
2. Menuet sur le nom d'Haydn
3. Sonatine: I. Modere
4. Sonatine: II. Mouvement de Menuet
5. Sonatine: III. Anime
6. Jeux d'eau

/Maurice Ravel

Robert Casadesus (Piano)

★今回のオープニング&エンディング曲
『Cinematique』/RoundTripp

★FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)

2007年12月01日

●CoffeeTripp Vol.35「フランスのミュゼット〜哀愁のアコーディオンとジプシーギター」(2007/11/29)

旅行、休日、くつろぎのひととき・・・CoffeeTrippは最高の時間を過ごすのにぴったりの素晴らしい音楽をご紹介します。
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今週はアコーディオンの哀愁を帯びた音色、ジプシースタイルをベースにした情熱的なギター(いわゆるジャンゴ・ラインハルト・スタイルですね)が絶妙の味わいを醸し出す、フランスのミュゼットの特集です。
ミュゼットの発祥は19世紀初頭。パリにヨーロッパ各地からの移民がやってきた時代です。イタリアからの移民がアコーディオンを持ち込んだのがきっかけとなって、アコーディオンとギターを中心としたアンサンブル・スタイルが徐々に確立されていき、20世紀初頭にはパリを中心に大流行しました。
当時のパリ庶民は、哀愁溢れるミュゼットが流れる下町のバル(bal=ダンス酒場)で踊り語らい、そして酒を酌み交わしたことから、バル・ミュゼットという言葉で呼ばれていました。

音楽的にみると、時代の変遷とも併せて様々なジャンルからの影響が垣間みられます。
リズム的要素で見ると、往年のワルツ(Valse)を中心に、ポルカ、タンゴ、また最近ではブラジル音楽をルーツとするもの(今回オンエアの「Afro-Musette」もその一つです」が取り入れられています。
またハーモニー的に見るとブルース、ジャズ的な要素も多分に含まれ、まさに人種のるつぼ的な様々な音楽要素が反映されたワールドミュージックとして、非常に魅力的なものです。

そんなミュゼットの主役は、何と言ってもアコーディオン。
アコーディオンという楽器もミュゼットと同様、時代の変遷とともに大きく変化してきた楽器であり、演奏方法、キー(ボタン)の配置、そして発音の仕組み等の違いにより様々な種類があります。
それら細部の微妙な違い故にサウンド、フレージングのニュアンスが各々独特の個性を持っていて、それがこの楽器の味わいであり、またミュゼットの各曲に魅力を与えているといってもいいと思います。

ダイアトニック・アコーディオン
アコーディオンとしては初期に開発されたもので、ボタン式です。メロディオンと呼ぶ事もあります。ダイアトニック(diatonic)の意味は「全音階」、つまりピアノで言うと黒鍵にあたる半音は出せないため、曲のキーによって楽器を選択します(モデルによっては半音が出るアクシデンタルキーがついています)。発音の仕組みは蛇腹を押すときと引くときで違う音階が出るようになっていて、その構造ゆえの独特のフレージングがこの楽器の個性となっています。ピアノ・アコーディオンなどに比べると構造が単純で軽量、音量も大きく、シンプルで明るい楽曲や、屋外演奏で用いられる事が多いです。

クロマティック・アコーディオン
上記のダイアトニック・アコーディオンを改良したもので、ピアノと同様に半音階も出すことができるものです。最近ではこのタイプが最も一般的なようです。
発音はダイアトニックタイプとは異なり蛇腹を引くときも押すときも同じ音が出ます。メロディーを演奏する右手は旧来のボタン式のものと、ピアノ型の白鍵黒鍵式のものがあります。(鍵盤式がメジャーで、ボタン式は特注のようです)

その他、モデルにより独自のキー配列を有し、演奏が実に難しいバンドネオンや、シングルリードによるシンプルで澄んだ音色が美しいコンサルティーナ等がありますが、
理屈は抜きにして、まずはこの魅力的な音に、ぜひ触れてみてください。
前述のジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼットナンバーを演奏していますし、今回3曲目にオンエアの「accordion」(タイトル通りアコーディオンをたたえた歌です)は、セルジュ・ゲンズブールのペンによるもの。
まさに「フランスが愛した音」である証ではないでしょうか。

【2007.11.29 Air-play】
1.Richard Galliano - 極上のワインに捧ぐワルツ(La Valse a Margaux)
2.Pierre "Baro" Ferret - Panique
3.Serge Gainsbourg - Accordéon
4.M.Azzora/R.Galliano - Afro-Musette
5.Bordeaux(FTP Edit) - RoundTripp

※FM AZUR「CoffeeTripp」毎週 木曜10:00(再放送 土曜 22:00)